読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ぺねとれ2世の休日

教員養成大学で教育と哲学を学んでいます。クラシック音楽がライフワークです。

休学ストーリー①

タンギングすらろくに出来ないのにプロになりたいという彼の夢を卑下する理由は僕には何も無いはずだった。ただ、自分より上手い人を見たことがないとか、僕には才能がある、と言ったことを根拠もなしに平気で言える傲慢さが、僕には耐えられなかったのだ。

学生指揮者の選挙で彼と戦った。多数決が行われる前に、彼は言った。「僕は彼よりも音楽の知識はないかもしれない。だけど、僕には彼よりも音楽に情熱を持っている。彼よりも音楽を愛している!」
そんなわけがなかった。僕の音楽への愛は、そんな簡単に超えられるものではなかった。

しかし、皆は彼の言葉を信じた。僕はどんなに弁論しても皆に聞いてもらえなかった。彼は多数決によって学生指揮者に選ばれた。僕は負けたのだ。僕の音楽への気持ちは誰にも信じてもらえなかった。その日から、日に日に精神がおかしくなっていくのだった。(続く)